2018/6/8
今週火曜日にあった将棋の話。
藤井聡太七段が、
将棋ソフトの「読み」を上回る「手」を指し、快勝した。
というニュースがありました。
私は、「なんじゃそりゃ〜」と驚いたのですが、
今日、ようやく、そのTVの様子を見ることができました。
その将棋を解説していたのは、
ソフト将棋の申し子と言われている
千田翔太六段です。
彼自身も、メキメキと力を付けていますが、
ソフトの積極的な活用・研究がその理由のようです。
さて、藤井さんの将棋に戻りますが
この対局は、将棋ソフトがどのように次の一手を選択し、
その結果、どの程度、どちら側が有利になるか
形勢判断が、その都度、画面上に出てくる構成になっています。
終盤になり、藤井さんは、優勢で推移していましたが
次の一手は、どう差しても、藤井さんが困ってしまう。
という場面が出てきました。
そこで、藤井さんは、ソフトさえも読まない一手を指し、
その瞬間、ソフトの判断は、藤井さんが不利となり、
解説の千田さんも
「これはどう見ても、形勢逆転」と言ったのですが、
千田さんが、ソフトを操作しつつ言葉をつないでいると、
「この手は、とても良い手です。少し先まで、駒を動かすと
ソフトが、良い手だ。と評価し直しています」となりました。
「通常は、ありえない局面なんで、ソフトも人間も
読みを止めてしまう場面です。でも、そこから深く読むと
そこに勝機があったことに藤井さんは気付いていた!」とのこと。
藤井さんは、やはりすごいですね!
そして、これは、将棋解説の変化を感じる場面でもありました。
これまで、解説者が「ここは、こうなります」と言うのを
「そうなのか〜」と聞いているのが、将棋のTVでの楽しみ方でした。
しかし、最近は、「ソフトがそう言っている。」ということが
前提としてあり、ソフトの考え方を、人間が解説する。
ソフトの想定外の「次の一手」を解説者も驚き、
その意図を探ろうとする。
それが「解説」として成立している。
そんな風景に変わってきました。
これを一般社会に置き換えると
AIに問いかけをした結果、日常生活での「次の一手」を
画面上のアバターが、優しく示唆してくれる。
これを、PCやスマホの画面の見ている人間が
どのように感じ、実際に行動していくのか?
「AIは、そう言っている。」それをそのまま行動に移すのか?
いやいや、人間の考えの方が、さらに上回っているよ。となるのか?
そんなケースもあるのではないかと。
将棋の世界だけではなく、そんなことを、想起させるなと感じました。