2018/9/22
今日は、午後から大阪にて
大学教授先生を囲んだ勉強会に参加。
弁護士先生、企業実務家の皆さんと
最近の判例を研究する会です。
今日のテーマは、
「定年再雇用後の賃金設計について」でした。
定年後、再雇用する場合、一般的には
賃金は低下することが多いです。
大企業は、それをシステム化していますし
中小零細は、個別に、その人の体力・技能・意欲などを鑑み
賃金を決定していると思います。
今年、長澤運輸事件において
最高裁判決が出ましたし、
その他、関連する判決が過去にも出ています。
(60歳)定年再雇用の場合、
1年更新で65歳まで雇用することが多いですが、
現時点において、1年更新する=有期労働契約の締結者となるので、
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労働契約法(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
第二十条 有期労働契約を締結している
労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより
同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している
労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、
当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う
責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、
当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、
不合理と認められるものであってはならない。
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に基づいて、適法であるかが争点になりますが、
ただ、そもそも、この第20条は、定年再雇用の方を
ターゲットにした法律ではなかったはず・・です。
若年者を含め、有期契約というだけで、
正社員との賃金を含めた待遇格差がある場合
それを解消することが目的だったはずですが、
この条文の射程は、定年再雇用者にも当てはめが行われます。
現場レベルでは、
パーセント(元の賃金に比べて*%下がれば違法なのか)でみるのか
金額(元の賃金との対比をせず、**円まで下がれば違法なのか)でみるか
大企業と中小企業では、対応が全然異なります。
また、裁判例では、企業サイドが、再雇用を拒否したい。ことを隠して
著しい低賃金を提示して、働く意欲を無くさせる裏目的が
見え隠れするケースも存在します。
それと、そもそも、年金制度が、
当初の設計どおりに、年金の支給開始年齢を守れず
60歳から65歳の間、無年金になってしまう状態を
民間企業に、65歳まで雇用義務を課していることが
そもそもの問題ではないかと思います。
今日も様々な角度で検討しましたが
なんとも、釈然としない。
そんな感じの勉強会でした。