2007/12/8
今日は、社労士会の研修会でした。
講師には、年金のスペシャリスト
宮城準子先生をお招きしました。
昨年に続いて2回目の依頼を
快く引き受けていただきました。
社労士業界では、大変有名な方ですので
大勢の方に参加いただきました。
話題はやはり「5000万件」の
消えた年金問題です。
間もなく、その照合作業の一環として
「ねんきん特別便」なる通知が
対象となる方に向けて発送されるようです。
今、自分の年金記録が正しいかどうか?は
全国民の関心事と言ってもよいと思います。
5000万件の中に自分の記録が
混じっているのでは?と不安が募ります。
記録が見つかれば、自分の年金が
僅かでも増えるはずと思っています。
しかし、ケースによっては
減額になる場合もあるのです。
例えば、配偶者加給金。
夫婦の双方が、共に20年以上
厚生年金に加入していると
加給金は付きません。
(中高齢の特例を除く)
夫が20年以上厚生年金加入で
妻が(原則)19年厚生年金に
加入の場合(20年未満)には
配偶者加給金が付きます。
(261,500円/年〜396,000円/年
年齢によって違います)
5000万件の中から、
例えば、1年以上の加入した
妻の記録が出てくれば、
加給金は無くなってしまう・・・
例えば、障害厚生年金の
平均標準報酬月額の算定。
若い頃OLをし寿退社した
専業主婦が、結婚後20年経ち、
現在は会社の「社長夫人」に
なり、かつ経営面でも
「社長の右腕」として仕事を
しているとします。
その方が、今の会社の厚生年金
被保険者期間中に障害者になり、
障害厚生年金を受給している場合。
その年金額の算定に使われた
給料のデータ(平均標準報酬月額)が
現在の会社からの(高額な)給料のみを
使用し算出してしまった場合で、
結婚前の旧姓の(安い)給料の
記録が5000万件の中から出てきたら・・・
平均値が下がってしまうのです。
(年金額が下がります)そして
5年に遡って返却する必要が出てきます。
(実際にあったケースです)
などなど、本人が損をする場合が
あるのです。
5000万件のパンドラの箱は、
開いてしまったのですが、
その中には一人ずつの
小さな「パンドラの箱」が
隠されています。